掲載日 2017年11月14日

富士通株式会社
【提供目的】
- 事業・業務の見える化
- 事業・業務プロセスの改善
- 故障や異常の予兆の検知、予防
- 故障や異常への迅速な措置
【活用対象】
- 企業顧客(※個人農家も含む)
IoT事例の概要
サービスやビジネスモデルの概要
農業生産者向けのSaaSサービス、作物栽培を行う温室(ハウス)内の環境情報の見える化とコントロールを行う「施設園芸SaaS」
内容詳細
「施設園芸SaaS」はクラウドに蓄積された様々なデータを利活用するクラウドサービスです。これらを利用することにより、農業生産者は生産プロセスの見える化や温室の遠隔監視、装置の遠隔制御が可能となり、適時作業を逃さず行え、質の高い農作物を安定供給することが可能となる。具体的には以下の機能を提供している:
・温室内に複数のセンサー(温度、湿度、CO2等)を設置し、センシングしたデータから環境の変化を判断し、各種制御機器(暖房、冷房、窓、カーテン等)のコントロールを行い、栽培に最適な環境を維持する。また、栽培の計画に必要なデータを見える化する。
・モバイル端末を利用して、出先等から温室内の制御機器を遠隔操作する。
概要図


取り扱うデータの概要とその活用法
- 取り扱うデータ
①各種センサーから収集する環境データ(温度、湿度、CO2、日射、土壌、風 等)
②制御機器の制御状態(暖房、冷房、窓、カーテン、灌水、ミスト等)のデータ ⇒機器のON/OFFや窓の開度等の履歴をセンシング - 活用方法
・今後の生産量増大及び品質向上にむけた栽培結果(環境データと生育の記録)の分析と改善方法の検討。(農作業や制御機器の動作タイミング等)
・栽培指針や温室間の比較を実施する事での気付き。⇒上記を実施し、次作の作業改善に役立てる。
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
- 苦労した点:
①ソフトのみでなくハード(センサーと制御基盤)の開発(もしくはハード開発者との提携)が必要であった事
②クラウド処理のタイムラグが最適な環境を維持する上で問題となり、現場でのリアルタイムな制御が必要となった事 - 解決した点:
①ハード品質確保の為に、現場の動作環境と結果をフィードバックし、ハード面の改善を繰り返し実施し改善した。
②クラウドでの処理と現場環境での処理を切り分けし、それぞれ最適な場所で動作する様に改善した。 - 導入期間:2~3ヶ月
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
施設園芸の環境制御の分野では、各制御機器の通信規約等が整備されておらず、今回、新たに「日本発の施設園芸/植物工場向け情報基盤であるユビキタス環境制御システムUECS」と言う規格に応じたシステムを開発した。
今後の展開
現在抱えている課題
- システムの使い勝手を改善し、新規就農者レベルでも簡単にデータ活用出来る仕組みにすることが必要である。
- 過酷な環境で使用している為、ハード保守を改善し、顧客である農家が簡単に改善作業を実施できるようにすることが必要である。
将来的に想定する課題、強化していきたいポイント
- 類似サービスを提供している企業が増えており、差別化を図る必要がある。
- 強化ポイント:安く簡単に導入出来る仕組み。AIによる予測(収量、病害虫等)、教育機関(農業大学、農業高校等)向けのコンテンツの強化。 ハードメーカ(センサー)に依存しない仕組み作り。
将来に向けて考えられる行動
- 作業/生育データとの連携(Akisaiシリーズ、他社)を図る事で、農業現場全般のデータを取扱い、新たなデータ活用モデルを構築する。
- ドローンや農作業機器メーカと連携し、作業負荷の軽減や作業の見える化を推進するとともに、コスト削減に有用と考えられるサービスの開発・提供
連携を含めた強化分野
- 顧客へのサービス対応・サービス品質向上
- 新たな顧客層の開拓、マーケティング
- 故障や異常発生後の最適かつスムースな事業継続
- 最適経路・プロセスの選択
- 経営判断の迅速化・精密化
- 収集情報を活用した新規事業の発掘
本記事へのお問い合わせ先
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