掲載日 2017年12月12日

富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社

【提供目的】
  • 浸水被害の軽減

【活用対象】

  • 自治体

IoT事例の概要

ビジネスやサービスの概要

マンホール内に設置したセンサーおよび通信モジュールを活用した下水道氾濫検知ソリューション

内容詳細

地球温暖化による気候変動は集中豪雨の増加を引き起こしており、都市部における内水氾濫の人的・物的被害が甚大化している。この問題に対し、富士通グループは下水道氾濫の被害を軽減することを目的とした下水道氾濫検知ソリューションを提供している。
本ソリューションではマンホール内に設置する水位センサーを用い、下水道管路内の水位情報をクラウド上に集約、蓄積する。下水道管理者はインターネット経由で下水道の水位の変化や降水量等を確認できるだけでなく、水位が指定値を超えるとシステムからメールで通知を受けられる。これにより内水氾濫被害の軽減に向けて住民への周知や職員の派遣などを迅速に行うことができる。また、蓄積した情報は、気候変動に応じた管路施設の更新計画にも活用できる。

概要図

取り扱うデータの概要とその活用法

 本ソリューションを利用することで、自治体の下水道管理者は下水道の水位情報をインターネット経由でモニタリングすることができる。これにより下水道氾濫による浸水被害が発生する前に、周囲の住民に対しての通知や、現場への職員派遣といった、被害軽減に向けた行動がとれる。

 

事業化への道のり

苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間

 本センサーシステムは、下水道マンホール内の劣悪な環境で使用されるため、浸水に耐えられる防水性や運用時の衝撃耐性、汚水から発生する硫化水素ガスの対応など、ICT機器としてはこれまでに経験の無い頑強な耐候性が必要であった。また、センサー装置はマンホール鉄蓋(管渠内)に設置されるため、電池交換周期の長期化と、無線の通信距離も課題となっていた。

技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの

 富士通九州ネットワークテクノローズ(株)は、当該ソリューションのハードウェア開発を担当し、センサー装置は素材選定から新規開発を行うなど、マンホール鉄蓋に設置できる高い耐環境性のスペックを実現することができた。また、マンホール鉄蓋の温度変化を利用して電力に変換する熱電変換ユニットを採用することで、通常のバッテリー方式と比較して電池交換のメンテナンスを大幅に延長することが可能となった。無線通信に関しては、マンホール鉄蓋用の専用アンテナを新規に開発することで、従来方式と比較して2倍程度の通信距離を達成した。

 

今後の展開

現在抱えている課題

 ゲリラ豪雨の増加や水防法の一部改正により、下水道事業体では、ハード対策に加えて、ソフト対策との両輪で浸水被害の軽減に向けた対策が進む。富士通グループでは、ソフト対策として、IoT技術を利用した本ソリューションの有効性を、業界にアピールし適用拡大を推進する。

将来的に想定する課題、強化していきたいポイント

 水位情報以外の情報(例:雨量、水量)との連携。

将来に向けて考えられる行動

 下水道の水位情報を起点に、富士通グループのAI技術を活用した新しいサービスによる訴求。

連携を含めた強化分野

【事業継続性】

故障や異常への迅速な措置
故障や異常発生後の最適かつスムースな事業継続

【事業の全体最適化】

変動する需給バランスの最適化

 

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