富士通九州システムサービス株式会社
- 畜産業における母牛の繁殖性向上を実現する「牛歩SaaS」
【活用対象】
- 畜産農家及び、JA指導員等(農家がJAの系統農家である場合)
IoT事例の概要
サービスやビジネスモデルの概要
畜産農家において牛の発情を正確に把握し、人工授精の適期を見極めることで、効率的な繁殖を実現するサービス
内容詳細
【1】サービス名:牛歩SaaS
【2】サービス内容詳細・母牛が発情すると行動量が通常の1.3~6倍になることに着目し、行動量を計測することで発情の兆候を検知するサービスを提供する。
- 行動量を計測する手段として、母牛の脚に歩数計を装着する。歩数計から受信機に対し、1時間間隔で歩数データが送信される。受信機を経由して、クラウド側に歩数データが収集され、分析を行う。
- 通常と比較し、歩数増加が見られた場合に、メールでお知らせする仕組みになっている。
- また、歩数の推移を時間単位にグラフで見ることができるため、視覚的に発情時期が把握でき、適切なタイミングで授精する事が可能になる。早期の受胎判断、分娩時期の予測、牛の疾病の早期発見等も可能になる。
概要図
取り扱うデータの概要とその活用法
取り扱うデータは、母牛に装着された歩数計にて計測された一時間当りの歩数情報であり、平均歩数に対する増加有無の分析に活用する。取得したデータは中長期にわたり保存可能であり、様々な分析に活用することができる。
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
母牛の行動量増加が人工授精タイミングの見極めに活用できることを、畜産農家に理解して頂くために、実証実験を行う必要があった。3ケ月の実証実験を実施し、発情発見率が向上することを農家の方に実感して頂いた。
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
技術開発を必要とした事項はないが、牛歩の技術を導入するに当り、システムの開発元である株式会社コムテックと牛歩の特許使用に関するライセンス契約を結んでいる。
今後の展開
現在抱えている課題
牛歩SaaSは、歩数計から受信機にデータを送信可能な範囲が最大150mであるため、牛舎での利用にとどまり、広大な放牧地での利用が難しい状況。
将来的に想定する課題、強化していきたいポイント
放牧での利用を可能にするための、長距離のデータ送信が可能なハードウェアの活用を含めたシステムの強化を行っていきたいと考えている。国内では主に北海道地区での市場拡大が見込める。
将来に向けて考えられる行動
現在、欧州での実証実験で高い評価を受けており、まずは欧州での商用化を進める予定。
連携を含めた強化分野
- 収集情報を活用した新規事業の発掘
本記事へのお問い合わせ先
株式会社富士通九州システムサービス
URL : https://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/contact/form/gyuho-contact.html