掲載日 2018年01月10日
IoT事例の概要
サービスやビジネスモデルの概要
「車載式塩分濃度センサー」
主な導入企業:高速道路管理会社、一般道路管理法人
車両走行しながら路面上の凍結防止剤の残留塩分濃度(塩分濃度センサー)と路温(路面温度センサー)を測定することにより、路面情報を路線情報(リモートセンシング)として把握できます。測定した路温と路面上の残留塩分濃度をリアルタイムに可視化し、凍結防止に必要な塩分濃度を算出することで、凍結防止剤散布作業の最適化と散布量の削減化(塩害低減)を応援します。
内容詳細
- 道路の凍結防止剤として散布する塩化ナトリウム(塩水)の路面残留濃度を計測する測定器を路温・気温センサ、GPS、カメラ、車内モニタと一緒に道路パトロール車両に搭載し、計測する。時速100kmで走行しながらの計測が可能。
- 1秒毎に計測したデータを5秒毎にサーバへ送り、専用Webページにてグラフ化、カメラ画像、車両位置を同時に表示する。道路管理室では、これらのデータをリアルタイムに閲覧・監視することが可能となり、塩分濃度の見える化、凍結防止剤散布の効率化が図れるようになった。
概要図
本システムのメリットは以下の通り。
- 車載式で自動計測されるため、車両停止や車外測定の必要がない。凍結防止剤の測定作業の安全性と作業効率の向上に寄与。
- 計測した塩分濃度・路温データにより、効率的な凍結防止剤散布作業が可能。
- 光学的屈折率による測定方式のため、測定精度が高い。
- 計測対象は塩化ナトリウムが標準ですが、塩化カルシウム、塩化マグネシウムにも対応可能。
取り扱うデータの概要とその活用法
道路に残留する塩分濃度(塩水)データ、気温/路温データ、カメラ画像などこれらの情報を一目で分かるように表示し、顧客に提供している。顧客側では、リアルタイムに道路の状況を把握するとともに、残留塩分濃度データを次の凍結防止剤散布のタイミングを判断する材料として活用している。
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
製品価格が高価なので5年リース契約とし、コスト面で導入し易い価格設定とした。
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
車に搭載する塩分濃度計測器の精度向上、小型化、雪付着による障害対策が製品開発のポイントであった。開発当時は通信速度が十分ではなかったので、計測データと写真画像をリアルタイムに脱落なく、かつ効率的に伝送する技術の開発に時間を要した。
今後の展開
現在抱えている課題、将来的に想定する課題
現在、高速道路、国道にのみ活用されているが、この活用を一般県道/市道/町道にまで拡大すること。
強化していきたいポイント、将来に向けて考えられる行動
- 県道/市道/町道への導入には、通信コストを抑えることが必要。特定小電力無線通信を使った通信システムとインターネットを活用した低コスト版を提供することが課題である。
- 特定小電力無線通信を使った安定した通信システムの確立を目指す。
連携を含めた強化分野
最適経路・プロセスの選択