IoT導入のきっかけ、背景
本記事は、スマートIoT推進フォーラム会員企業GMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOクラウド株式会社のIoT導入事例である。
当社は、IoT導入のコンサルティングを手がける「IoTの窓口by GMO」を展開している。そのなかで、札幌市の不動産会社からの相談をきっかけに開発されたのが、「スマート検針パック」である。
賃貸物件では、居住者が頻繁に入れ替わる。スマート検針パックでは、オーナー・管理会社が公共サービスを一括購入し、家賃とあわせて入居者に請求することによって、空室期間でも公共サービスの一時的利用が可能となるなど(例えば、清掃のために電力が必要な場合)、オーナー・管理会社と居住者の双方にメリットがあるサービスとなっている。
IoT事例の概要
サービス名等、関連URL、主な導入企業名
内容詳細
「スマート検針パック」は、 自動検針から請求システム、エネルギーの見える化、付加価値サービスの提供まで、マンションなどのオーナーや管理会社がすぐに導入できるシステムである。電気・ガス・水道の一括購入をはじめ、入居者ごとの自動検針から料金請求、利用状況の見える化までワンストップで導入が可能。マンションやテナントでは家賃と一緒に光熱費の請求書をまとめて出力し、これを管理会社が入居者に発送する。
導入事例の1つに札幌市の不動産会社があり、現在1239戸で「スマート検針パック」を利用中である。北海道は寒冷地という土地柄から「電気、ガス、水道、お湯、灯油、冷暖房」など、エネルギーに関する費目が多い。このため、従来のサービス提供者毎の個別契約では、入居者にとって支払い等が煩雑という課題があった。この課題を解決するため「スマート検針パック」を開発し、すべての水道光熱関連の検針に対応することで課題を解決。なお、気温差が激しい環境であるが、設置したIoT機器は2年以上安定稼動している。
概要図
出所 https://www.iotnomadoguchi.com/case/case03.html
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
- スマートメータ関連機器の自社開発を行ったが、ハードウェア設計や生産については創業以来始めての経験であったため、ノウハウが少なく苦労した。
- マンション一棟全てに適応されるものなので、配線や設置場所などさまざまな条件への対応が求められ、工事のリスクが高かった。
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
- 「スマート検針パック」に関わるサービスを効率的、かつ迅速に開発することが求められたが、この際にクラウド環境での開発に慣れていたことが大きな強みになった。
今後の展開
現在抱えている課題、将来的に想定する課題
メーター数値の詐称問題※1がでてきた場合に備え、将来的には、弊社グループ会社GMOグローバルサイン社が提供するPKI for IoT※2を活用したよりセキュアなメーターが求められると考えている。
強化していきたいポイント、将来に向けて考えられる行動
水道と電気の使用データを統合することで、いままでとは異なる観点からマーケティングを考えることが可能になると考えている。現在、この統合データを活かした新たなビジネス展開を考えている。
将来的に展開を検討したい分野、業種
メーターメーカーと共創し、セキュリティの強化はもちろん、将来的には住環境の快適性や利便性向上につながる ソリューションの提供を行いたい。また、入居者属性の分析により今後必要とされる機能・サービスの発掘、それから高齢者見守りなど入居者に求められる新機能・サービスを検討していきたい。
本記事へのお問い合わせ先
GMOクラウド株式会社 IoTの窓口byGMO担当者