IoT導入のきっかけ、背景
本記事は、スマートIoT推進フォーラム会員企業GMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOクラウド株式会社のIoT導入事例である。
昨今では、電子タグ・モニターを活用した店頭の値札や、電子化したPOP(*)が各地で見受けられるようになっている。しかし、従来の電子POPに使用されている電子タグは、専用端末でしか情報の更新ができないものが一般的である。また、電子POPを見たお客様の情報や動向などのデータを収集したい場合には、別途センサーの設置・組み込みが必要となり、導入は容易ではない。
(*) POP: Point of Purchase advertising。主に店頭に設置される販売促進のための広告
当社「IoTの窓口 by GMO」では、こうした課題をIoTで解決するべく、Webブラウザ上からインターネットを通じて情報(表示内容)を一括更新でき、さらにお客様の行動を感知しデータとして取得するセンサーを搭載した「スマート電子タグ」の開発を進めてきた。
また、実証実験の協業企業であるトーハンにおいても、書店にITの最新技術を導入する取り組みが始められようとしていた。そこで、トーハンの取り組みの1つである“書店×IoT”の実証を行うために、当社「IoTの窓口by GMO」において、「スマート電子タグ(次世代型電子POP)」を開発する運びとなった。
IoT事例の概要
サービス名等、関連URL、主な導入企業名
サービスやビジネスモデルの概要
「スマート電子タグ」は、Webブラウザ上で表示内容を一括制御できる電子タグ端末である。
各種センサーを気軽に取り付けることが可能なため、今まで取れなかった情報の取得やヒートマップユーザー動向の把握など、幅広いマーケティング関連情報の取得効果が期待できる。
加えて、値札の取替えなどの煩わしい作業を一括して管理することにより、人件費削減にもつながる。
概要図
出所: https://www.iotnomadoguchi.com/case/case10.html
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
- 提案→開発→実証実験までおよそ5ヶ月かかった。
- 現場では、お客様が簡単に機材に触れることが出来るため、センサーをパネルに埋め込み外から見えないようにするなどの「いたずら防止」の工夫が必要だった。
- データの配信にWi-Fiを利用しているが、お客様の店舗環境によっては通信が安定しないケースがあり、セルラー対応を予定している。
- 実証事件を行うにあたり、展示場所の新設など従来にない対応を要する場合があった。そのため、店舗の従業員の方やアルバイトの方々のご協力が必須・IoT向けの大量発行可能なPKI提供
- プログラム修正をオンライン上で可能にする技術
今後の展開
現在抱えている課題、将来的に想定する課題
検討している通信やその他部品の調達をすべて合わせると高額になる。そのためどこまで金額を落として提供できるかが大きな課題。また、高価でも費用対効果をどのように生みだすかについても今後の課題。
強化していきたいポイント、将来に向けて考えられる行動
- 製品の量産化に向けた仕組みづくり
- 取得したデータの利用、活用提案
- さまざまな場所、場面に備えた安定的な通信環境の実現
将来的に展開を検討したい分野、業種
- さまざまなセンサーとスマート電子タグとの連携
- AI、ディープラーニングの活用による解析範囲の拡充