2026年03月30日

 スマートIoT推進フォーラムは、2026年3月16日に第11回総会を開催しました。約120名が参加した本総会は、約10年にわたる活動の成果を総括するとともに、今後のIoT・通信の展望を議論する節目の機会となりました。
 2026年3月16日(月)、日比谷国際ビル コンファレンススクエアにて、「スマートIoT推進フォーラム第11回総会」を開催しました。本総会は会場とオンラインのハイブリッド形式で実施され、約120名の関係者にご参加いただきました。
 本フォーラムは、産学官連携のもとIoTの社会実装や標準化を推進してきた取り組みであり、本総会は約10年にわたる活動の節目となる会合となりました。なお、本フォーラムは本年度をもって活動を一区切りとし、休会となる予定です。

開会挨拶・来賓挨拶

 冒頭、徳田英幸 座長(情報通信研究機構 理事長)より開会挨拶が行われ、IoTが社会基盤として果たしてきた役割とともに、本フォーラムが産学官連携の場として果たしてきた意義について言及がありました。
 また、これまでの活動成果を踏まえ、本フォーラムが一定の役割を果たしたこと、そしてその知見が今後の取り組みに引き継がれていくことへの期待が示されました。
 続いて、総務省 国際戦略局長より来賓挨拶があり、本フォーラムの活動が我が国のIoT推進やデジタル政策において重要な役割を担ってきたことが述べられました。

徳田座長挨拶

布施田国際戦略局長来賓挨拶

特別講演

「PoCの先へ:IoTを価値獲得に変える“テトリス型経営”」(東京大学大学院 工学系研究科 教授 森川 博之 氏)

 特別講演では、IoTの活用が「PoC(概念実証)」の段階から、実際のビジネス価値創出へと移行している現状を踏まえ、今後は“価値創造”だけでなく“価値獲得”が重要になるとの指摘がありました。
 講演では、「PoCで終わらせず、価値獲得までを見据えた設計が不可欠である」というメッセージが強く示されました。
 これまで多くのIoTプロジェクトがPoCで止まり、社会実装や収益化に至らない課題が指摘されてきましたが、その背景として、技術単体ではなく、ビジネスモデルや組織体制を含めた総合的な設計の必要性が示されました。
 その解決の方向性として提示されたのが「テトリス型経営」です。これは、企業・人材・技術・データといった多様な要素を、パズルのように最適に組み合わせることで価値を最大化していく考え方であり、単独の組織ではなく、複数の主体が連携するエコシステムの構築が鍵となると説明されました。
 また、通信技術の進展や生成AIの活用が進む中で、IoTは単なるデータ収集基盤から、価値創出の中核へと進化していることが示され、今後はより高度な連携とビジネス設計が求められるとの展望が示されました。
 講演を通じて、これまでフォーラムが推進してきた産学官連携の意義が改めて確認されるとともに、今後のIoT活用の方向性について多くの示唆が共有されました。

森川 博之様の講演の様子 (左:会場での様子 右:オンライン視聴画面)

活動報告

 本フォーラムのこれまでの取り組みおよび今年度の活動成果について、各分科会・プロジェクトより報告が行われました。

● 全体報告
 フォーラム全体の活動として、IoTエリアネットワーク技術の検討、テストベッドの活用、IoT導入事例の収集・発信などを推進してきたことが報告されました。
 特に、IoT導入事例は累計160件以上に達し、社会実装に関する知見の蓄積が進められてきました。

● 技術標準化分科会
 IoTの普及に向けた通信技術や運用管理技術の標準化検討を推進し、インフラ分野を中心に具体的な成果が積み重ねられてきたことが報告されました。

● テストベッド分科会
 IoT・AI等の社会実証を支えるテストベッドの整備・活用を進め、ユーザーと連携した実証環境の高度化に取り組んできたことが紹介されました。

● IoT価値創造推進チーム
 IoT導入事例の発信やイベント開催、関係機関との連携などを通じて、知見共有とコミュニティ形成を推進してきたことが報告されました。

全体報告 NICT中里様

技術標準化分科会活動報告 丹分科会長

テストベッド分科会活動報告 河口分科会長

価値創造推進チーム活動報告 稲田チームリーダー

規約改正および休会決議

 総会では、規約改正およびフォーラムの休会に関する議案について審議が行われました。
 規約改正は出席会員の過半数の賛成により可決され、続いて休会についても異議なく承認されました。
 これにより、2015年の設立以来約10年にわたり活動してきたスマートIoT推進フォーラムは、一つの区切りを迎えることとなりました。

交流の場(懇親会)

 総会終了後には、登壇者・参加者による懇親会が行われ、これまでの活動を振り返るとともに、今後の展開について活発な意見交換が行われました。

おわりに

 本フォーラムは、IoTの黎明期から社会実装のフェーズに至るまで、産学官連携のもとで多くの知見と成果を蓄積してきました。
 本総会をもって活動は一区切りとなりますが、ここで得られた成果やネットワークは、今後の新たな取り組みへと引き継がれ、さらなるイノベーション創出につながっていくことが期待されます。

会場の様子
(日比谷国際ビル コンファレンススクエア)

 

スマートIoT推進フォーラム第11回総会

プログラム

(1) 開会挨拶   徳田 英幸    スマートIoT推進フォーラム座長(情報通信研究機構 理事長)
(2) 来賓挨拶   布施田 英生 氏 総務省国際戦略局長
(3) 特別講演  

《講演者》    森川 博之氏 東京大学大学院 工学系研究科 教授
              スマートIoT推進フォーラム 座長代理・技術戦略部会長
                             XGモバイル推進フォーラム 共同代表

《講演タイトル》PoCの先へ:IoTを価値獲得に変える“テトリス型経営”

(4) 活動報告

  • 全体報告(情報通信研究機構 オープンイノベーション推進本部長  執行役 中里 学氏)
  • 技術標準化分科会 活動報告(北陸先端科学技術大学院大学 副学長 丹 康雄氏)
  • テストベット分科会 活動報告(名古屋大学 河口 信夫氏)
  • IoT価値創造推進チーム活動報告(情報未来創研 稲田 修一氏)

  活動報告資料はこちら

司会:窪田 有美様

*特別講演資料は、講演者様のご要望により公開を差し控えさせていただきますことをご了承願います。