商用5Gネットワークを介した国産手術支援ロボット"hinotori"による遠隔手術の試み

 現在臨床において急速な広がりを見せているロボット支援手術は何が革新的なのか?3D画像やロボットアームで微細な手術が可能ということばかりが取り上げられるが、キーワードは手術手技がデジタル化したということ、この一言に尽きる。デジタル化したことによって、まずは遠隔ロボット操作が可能になる。5G、6Gといった通信手段と組合わせることによって地球上どこにおいても熟練医の手術を受けることが出来るようになるだろう。そしてネットワーク化することによってデーター集積が容易になり、ビッグデータ化できる。

 その情報を解析、シミュレーションすることで自動・自律化ロボットへの道が開ける。この技術は根本から外科医療を変える可能性を秘めている。現在我々は、NTTドコモの通信技術、川崎重工のロボット技術、シスメックスのネットワークデータベースを活用し、遠隔ロボット手術の実証実験を進めている。現状と将来展望について述べる予定である。