IoT事例の概要
提供形態
照明器具のIoT化と照明システムの全体制御による消費電力の低減等
提供詳細
ビル、工場、ホテル、などに設置された多数の照明器具を個別にON-OFFしたり、調光できるよう、IEC62386:デジタル調光照明インタフェース(DALI: Digital addressable lighting interface)(以下、「DALI規格」という)を適用したシステムを開発し、 当社4拠点の会議室の照明を遠隔で監視・制御している。これによって、電力消費量の低減が可能。
例えば、会議室ではプロジェクタを利用することが多い。DALI規格を適用したシステムでは、照明器具ひとつひとつを個別に制御しON-OFF及び調光率を変えることができる。そのため、プロジェクタで撮された画面は見やすく(照明を暗くし)、かつ机上の明るさを適度に保つことができる。これによって、電力消費量を全ての照明を点灯していた時と比較して約1/5にすることができた。
また、人感センサを連動させることも可能であり、これによって会議室の利用状況を確認しカラ予約(予約だけで実際使用しない)を抑制することができる。さらに、個別照明制御により個人に最適な照明を実現し、快適性・生産性を向上することも可能。
DALI規格を適用したシステムでは、照明器具を情報伝達の手段として使うことが可能になる。例えば、照明器具を点滅させ緊急地震速報・津波警報・不審者の侵入などを知らせたり、照明器具を時差連動(流れるような動き)させることで避難経路(非常口がどこか)を示すことができる。詳細は、下記URLのDALI照明システムのデモ画像を参照。
DALI照明システムのデモ: http://www.wago.co.jp/pickup/dali.html
概要図
取り扱うデータの概要とその活用法
【取り扱うデータ】
照明の点灯状態、照明の調整光状態、照明の玉切れ、LEDドライバの故障、照明の累積点灯時間などを示すデータ
人感センサの状態を示すデータ
【データの活用法】
人感センサと照明点灯→会議室の使用状況の外部からの確認
累積点灯時間→照明器具の交換時期の確認
事業化への道のり
苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間
日本にはDALI規格対応の照明器具が少なく、DALI規格対応のLEDドライバとLED照明器具を組み合わせ、機能や動作をテストするところから始める必要があった。照明器具メーカーと共同でさまざまなテストを行い、完成度を高め実際に自社で導入してみた。企画段階から約3年かかっている。
技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの
タブレットのブラウザによってコントロール操作を行うため、ユーザーインターフェースとなるアプリを開発した。また、照明スイッチを無線化し配線の手間を省くため、電池レス(エナジーハーベスト)で動作する無線受信機を製作した
今後の展開
現在抱えている課題
国内照明器具メーカーのDALI規格への対応の推進
将来的に想定する課題、強化していきたいポイント
個人の快適性・効率性やゼロエネルギービルを実現するために、ブラインドの上げ下げによる外光取り入れ量の調整やAIによる最適制御の自動化
将来に向けて考えられる行動
現在及び将来の課題解決につながる行動を今後検討したい
連携を含めた強化分野
- 収集情報を活用した付加顧客サービス提供
- 故障や異常への迅速な措置
- 最適経路・プロセスの選択
- 変動する需給バランスの最適化
- 経営判断の迅速化・精密化