掲載日 2018年01月16日
NTTコミュニケーションズ株式会社

NTTコミュニケーションズ株式会社

【提供目的】
  • 事業・業務の見える化
  • コスト削減
  • 顧客へのサービス対応・サービス品質向上
  • 故障や異常への迅速な措置
  • 経営判断の迅速化・精密化

【活用対象】

  • 企業顧客

IoT導入のきっかけ、背景

 当社は、NTTグループの一社としてインターネットと物理的に独立したグローバルなVPN(Virtual Private Network: 仮想専用線網)サービスの提供を行っている。特に、セキュリティ等の安全性に関わる要件レベルの高い金融分野や公共分野において、安全なシステム作りと運用に貢献してきた実績を持つ。

 IoT市場は年平均成長率17%で拡大を続け、2021年には11兆円に達するといった華々しい予想データがある。IoTへの関心の高まりに合わせて、企業のIoT導入を支援する「IoT Platform」が乱立しており、各社差別化が難しく決め手に欠けるといった状況である。そこでまず当社は、SaaS型のIoTパッケージとして、2016年5月に「Factoryパッケージ」の提供を開始した。

 Factoryパッケージでは、当社が持つVPNサービス「Arcstar Universal One」を、工場・クラウド間のアクセスおよび中継網として用いる。これによって、インターネット(公衆網)経由の接続に対して高いセキュリティを実現している。工場内の製造装置等には、クラウドへの接続に伴うセキュリティ対策が難しい場合があり、このセキュリティ機能がFactoryパッケージの差別化ポイントとなっている。

 その後、お客様が持つ様々な課題やニーズに対応するために、「Vehicle Manager®」、「Things Cloud®」を加えて、IoT Platformのサービスメニューを拡大している(詳細は別記事を参照)。

 

IoT事例の概要

サービスやビジネスモデルの概要

  • 製造ラインに多数存在する製造装置は、個別にセキュリティ対策を施すことがコスト面、運用面から難しい。このため、製造装置をArcstar Universal Oneによって、セキュリティを確保した上でプライベートクラウド基盤であるIoT Platformに接続している。これによって、企業に閉じた社内網として運用し、製造装置やセンサーからの様々なデータを収集・活用する。
  • 製造装置やPLC(Programmable Logic Controller)からのデータを基に、製品の品質向上や製造装置の予防保全が可能となる。また、製造工程以外のシステムとも安全に連携することで、サプライチェーンの効率化も実現可能となる。

内容詳細

  • 三菱電機様との共同実験
    さまざまな製造装置(サーボモーター、シーケンサーなど)で構成される工場内LANとVPN網とを相互接続することで、製造装置のセキュアな遠隔監視が実現できることを実証した。
  • 生田産機工業様「生田遠隔監視システム」
    同社が製造/販売する製造装置にVPN網を接続することで、遠隔地に設置された装置の不具合や部品の消耗具合などのデータをリアルタイムに収集して監視することを可能とし、海外の顧客(現地企業)にも迅速な故障対応を実現した。
  • IVI (注1)への参加
    多種多様な製造装置やセンサーからのデータを安全に収集し遠隔監視したり、ラダー書き換えといった遠隔からの製造装置のメンテナンスが実現できることを実証した。(IVIアワード2017最優秀賞を受賞)
    注1:Industrial Value Chain Initiativeの略。日本語での名称は、一般社団法人インダストリアル・バューチェーン・イニシアティブ。

概要図

  • VPNサービス(Arcstar Universal One)とクラウドサービスをセットで提供しているので、トライアルやスモールスタートを含め、迅速なIoTシステムの構築・運用が可能。
  • 世界190以上の国・地域で展開しているVPNサービス提供拠点を利用することで、海外の生産拠点・販売拠点に社内網を拡張し、稼働する機器を安全に接続することが可能。
  • セキュリティ技術者による充実した監視体制を保有。また、AIや機械学習を活用したサイバー攻撃対策などにより、セキュリティリスクを最小化。
  • 工場内LANをVPNサービスに相互接続するだけで利用可能。製造現場で使われるさまざまなプロトコルに対応可能。
  • 従来製造現場で人が行っていたラダー書換えが遠隔から可能。食品製造等人の立ち入りが制限される場所への適用が期待される。
  • クラウドアプリケーションは、①お客様持ち込み、②ワールドワイドに広く使われているSCADA(注2)ソフトウェアVijeo Citectとの組み合わせ、③国産SCADA No.1のJoyWatcherとの組み合わせ(以下の図)、④GE Histrian/CSenseとの組み合わせにより、様々なユースケースに対応。
    注2:Supervisory Control And Data Acquisitionの略。生産設備のセンサー値をリアルタイムに収集・表示するソフトウェア。

取り扱うデータの概要とその活用法

  •  モーター、シーケンサー等各製造装置の各種データ。
  •  遠隔地に設置された装置の不具合や部品の消耗具合等のデータをリアルタイムに収集して監視することで、メンテナンス作業を効率的に行う。

 

事業化への道のり

苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間

  •  製造現場の方々からの協力を得るために、IT側部門ではなく事業部門の方々の言葉で説明して理解していただく必要があった。
  •  製造現場で使用されている多種多様な方式、プロトコルへの対応が必要であった。

技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの

  • データを収集するセキュアなネットワークは自社技術を適用
  • 製造現場で使われている多種多様な方式、プロトコルへの対応は独自で実施。

 

今後の展開

現在抱えている課題、将来的に想定する課題

 セキュリティ脅威の増大に対するプライベートクラウドの更なる安全性確保。

強化していきたいポイント、将来に向けて考えられる行動

 海外に販売拠点・生産拠点を置く企業への提供。

将来的に展開を検討したい分野、業種

 外部からのサイバー攻撃等に対するセキュリティ機能を強化し、製造業を中心に展開。

 

本記事へのお問い合わせ先

NTTコミュニケーションズ株式会社 経営企画部 IoT推進室

e-mail : iot-info@ntt.com