掲載日 2017年12月04日
いすゞ自動車株式会社

いすゞ自動車株式会社

【提供目的】
  • 事業・業務の見える化
  • コスト削減
  • 事業・業務プロセスの改善
  • 収集情報を活用した付加顧客サービス提供
  • 顧客へのサービス対応・サービス品質向上
  • 経営判断の迅速化・精密化
  • 故障や異常の予兆の検知、予防
  • 故障や異常への迅速な措置
  • 故障や異常発生後の最適かつスムースな事業継続

【活用対象】

  • 企業顧客
  • 社会全般(災害時に運行軌跡等データを提供)

更新日 2019年06月21日

IoT導入のきっかけ、背景

 運輸業界は、運送業務の効率性向上・安全確保・少子高齢化からくるドライバー不足への対応などの経営課題を抱えている。いすゞ自動車では、2004年からドライバーの運転操作状況を遠隔でモニタリングするサービス「みまもりくんオンラインサービス」を開始し、当時原油価格高騰で市場ニーズが高かったトラックの省燃費運転指導のコンテンツを提供した。その後2007年運送業界の法令遵守が重要視されたのをきっかけに、デジタコ等運行管理機能の強化を行ない市場ニーズへの更なる対応を行なった。
 2015年に発売の大型トラックGIGAにおいては、車両データを遠隔で取得できる仕組「MIMAMORI」により車両の稼動状況をモニタリングし、故障の予兆を知る事でトラックの稼動が止まるのを未然に防ぐ事が出来る機能に加え、万一故障した際にも事前にモニタリングした結果から修理内容が予め特定できる事で、お客様の休車時間を最小限に抑える事が出来るようになった。
 現在は車両の遠隔モニタリングといすゞディーラーによる高度純正整備をパッケージにした「PREISM」を展開している。※PRE=事前に/ ISM=いすゞの姿勢、考え方

 

IoT事例の概要

サービスやビジネスモデルの概要

2つのサービス・コンポーネントにより提供
(1)    MIMAMORI
車両コンディションの他、ドライバーの運転操作、車両位置、運行状況を常時MIMAMORIセンターに送信し、エコドライブ(燃費性)、安全運行レポートを提供。動態管理(車両位置、運行軌跡等)、法令遵守(運転日報、労務管理等)等お客様の経営の効率化をサポート。
(2)    PREISM
MIMAMORIによって車両コンディションを常時モニタリングした結果を活用し、車両状態の即時把握と故障の予兆検知を機械学習により実現。迅速かつ最適な整備(点検タイミングの提案、予兆整備等)を提案。故障による車両の稼働率低下を防ぎ、安定的な稼働や効率的な経営をサポート。

内容詳細

(1)    MIMAMORI

  • 運行中のドライバーに対してエコドライブ評価、エコドライブガイドを提供。また、運行後にエコドライブトレーニングレポート、安全運転レポート、省燃費運転レポート等を提供。
  • 車両位置、運行軌跡、運転日報、労務管理といった、事業者の経営効率化をサポートする機能を提供。
  • 参考URL: http://www.isuzu.co.jp/cv/cost/mimamori/index.html

(2)    PREISM

  • 故障の約70%を占める、排気ガス浄化装置(DPD:ディーゼル・パティキュレート・ディフューザー(注))の再生状況、トランスミッション作動状況、エンジン状態等を常時モニタリングし、不調の兆しを検知。予兆段階で予防整備を提案し故障を抑制。
  • 大型車から開始したPREISMは、現在、中型・小型車両も含めた全車両にてサービスを実施している。
  • 必要となる整備内容や部品を入庫前に予測することにより、整備時間を短縮し、休車時間を短縮。機械学習を活用し、高い故障原因の特定精度を実現。
  • 注:排ガス中の PM(粒子状物質)を浄化する装置。捕捉したPMが溜まると、車両の走行中に自動的に燃焼させ、フィルターを再生している。
  • 参考URL: http://www.isuzu.co.jp/product/preism/index.html

概要図

  • MIMAMORIにより、車両と管理者をつないでリアルタイムの高度な運行管理を手軽に実現
  • PREISMはMIMAMORIで取得した車両コンディション情報を活用することにより最大の効果を発揮。(例えば車両監視と整備データの連携により、整備工場入庫前に交換部品が準備されているなど)
isuzu-02.png

 

取り扱うデータの概要とその活用法

 エンジン、トランスミッション、DPD等部品のモニタリングデータや運転操作に関わるさまざまなデータ。モニタリングデータは、開発サイドにおいても分析し製品改良につなげている。

 

事業化への道のり

苦労した点、解決したハードル、導入にかかった期間

  • 実際にお客様と接するディーラーの営業マンに遠隔モニタリングの効果や顧客メリットを理解してもらい、お客さまへ訴求してもらうまでにある程度の時間が必要だった。
  • 運行データからドライバーの運転を評価する機能については、最初は一部のドライバーに運転を評価されることに対する抵抗感があったが、現在は客観的な評価ツールとして認識されている。
  • 参考URL: http://www.isuzu.co.jp/cv/cost/mimamori/service/ecoreport/

技術開発を必要とした事項または利活用・参考としたもの

 提供するサービスは自社で開発。機械学習のアルゴリズムはICT企業と協働し事業化できるレベルに仕上げた。

 

今後の展開

現在抱えている課題

  •  海外へのMIMAMORI、PREISMの推進は国によって車の装備や使用環境が異なるため、現地ディーラーのバックアップ体制の構築が必要となる。

将来的に想定する課題、強化していきたいポイント

 データ分析の進化による予兆検知のさらなる向上、お客様への価値の提供、第5世代移動通信システム(5G)への対応検討

将来に向けて考えられる行動

 現在実施中のタイ、インドネシア、UKから展開国を拡大

連携を含めた強化分野

 今後検討

 

本記事へのお問い合わせ先

いすゞ自動車株式会社 

e-mail : e_pr@notes.isuzu.co.jp​